ますます進む国際社会において多様性を身につけることが重要だと言われています。一人ひとりの違いを認識し、理解し合おうとする働きかけがその一歩となり、教育分野からもその取組が行われています
そんな多様性を尊重する社会のことを、イギリス在住の保育士でコラムニストのブレイディみかこさんは著書「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で「誰かの靴を履いてみること」と表現されていました。
ただ単に表面的なところだけでなく、もっと深い人間的な温もりを感じて分かり合おうという捉え方に、私は共感してしまいました。
新しい教育が提案される保育業界
日本の教育現場においても少しづつですが、画一的な教育から多様性のある教育を選択できる環境作りが進んでいます。
保育業界では、古くからある子どもたちの自主性を信じて伸ばす「教育法モンテッソーリ教育」や、豊かな表現力を養うことができる音楽教育法の「リトミック」を取り入れた指導方法を取り入れた幼稚園・保育園が全国に広がっています。
ここでは最近注目されている 2つ の教育法を紹介していきます。
サドベリースクールとは
サドベリースクールの理念はアメリカのボストンから始まり世界中に派生していきました。子どもたちは自らの好奇心のおもむくまま、やりたいことを追求することができます。運営者は極力強制することが無いように子どもたちを導き、より自由な選択を与えます。自ら選んだ方法で行動し、自らを磨き、育て、社会を学んでいくという教育方法です。
今までの日本の教育概念はルールや規則を重んじてきましたが、それを大きく変えるシステムが取り入れられているものです。
子どもは自分の好奇心を追求し、自ら考え行動することで、本当の意味での自立心を育んでいきます。
今までの日本の教育概念はルールや規則を重んじてきましたが、それと大きく異なるシステムが取り入れられているのです。
子どもは自分の好奇心を追求し、自ら考え行動することで、本当の意味での自立心を育んでいきます。
そのシステムは年齢や学年分けはなく、時間割も特別な指導もありません。ただスクールにいる間はみんな一緒に過ごします。そんな共同生活の時間から、お互いの関係性を深めていくのです。
日本の場合には対象が5歳から18歳なので幼稚園の年長くらいからの子どもが対象になっています。国内のサドベリースクールは全国に多数ありますが、以下にいくつかご紹介します。それぞれの運営理念からサドベリースクールの特徴が見てえくるでしょう。
≫一般財団法人 東京サドベリースクール
≫一般社団法人 湘南サドベリースクール
≫伊豆サドベリースクール
フレネ教育とは
フレネ教育は南フランスの農村で誕生しました。「現代学校運動」と呼ばれ発展を続けて、スペイン、ドイツなどのヨーロッパだけてなく南米ブラジルなど世界38か国に広がっています。日本では耳なじみのない名前かもしれませんが、モンテッソーリ教育にも影響を与えたといわれており歴史は古く、1896年(明治29年)から始まった教育方法です。
フレネ教育の特徴は「自由作文」です。「自由作文」とは子どもたちが、見たり聞いたり感じたことを作文に書くことで、それを教材として学習を進めるという独特の方法にあります。また、子どもたちは自分で決めた活動計画に則って、マイペースで学んでいけるのが特徴です。
日本ではフレネ教育を受けられる学校はまだ少なく、国内に3つあります。
≫ジャパンフレネ
≫認定NPO法人コクレオの森
≫けやの森学園
世界を見てみると教育方法はたくさんある
今回は国内で行われているサドリースクールとフレネ教育についてまとめて紹介してみましたが、世界をみわたすと実に様々な教育方法があります。まさに多様性の波紋がグローバルに広がっているようです。
日本の教育は日本の教育で素晴らしいところもありますが、まだどうしても一辺倒な画一的な教育方法が主だと言えます。親御さんはその部分をしっかりと分かったうえで、子どもにあった教育を受けさせることができればよいと思います。
留学という選択肢
子どもに「グローバルな環境で育ててあげられなかった」と悔やんでいる親御さんは、子どもが高校生や大学生になったときに、日本の学校に進学するだけではなく、留学をするというという選択支をつくってあげてみてはいかがでしょうか。
留学というと「費用が高く金銭的サポートが難しい」、「分からないことばかりで不安だ」と思うかもしれませんが、現在は留学や進学の支援してくれる機関も数多くあります。
幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校、大学と子どもの成長はあっという間です。教育や進路を決めるのは一時的なことですが、どんな環境で、どんな教育を受けさせてあげられるかで、子どもの将来設計は大きく影響されます。
これからの新しい社会で子どもたちが人生を豊かに送れるように、親として最適な選択ができるよう、準備をしておきたいものですね。